[企業経営、商店街・まちづくりのアドバイザー]
「めぐろ診断士会」は、NPO法人 目黒中小企業診断士会の略称です。
NPO法人目黒中小企業診断士会では令和8年9月20日(日)に、中目黒の目黒銀座会館にて2026年度上期研修会を開催しました。
今回は「気象リスクを経営に組み込む ― 中小企業のための天気×経済の実務」をテーマに、当会会員の中小企業診断士・岩田修先生に登壇いただき、28名(会場参加12名、オンライン参加16名)が参加しました。
近年、大雨被害が相次ぐ目黒区近郊にお住まいの会員や区内事業者様の支援に携わる会員も多いです。大型台風が接近していた中でタイムリーなテーマでもあり、参加者それぞれが自分事として、また支援先の事業者様に当てはめながら聞き入る研修会となりました。
岩田修先生は気象予報士・防災士・中小企業診断士の三つの専門性を併せ持ち、地域防災から中小企業の気象リスク対策、BCP(事業継続計画)の策定支援まで、気象と防災の知見を経営支援に活かす活動をされています。
研修会では、気温・降水・季節変動などが売上や集客に直結することを示しつつ、「気象データを経営判断に活かす方法」や、「中小企業が抱える複合的な気象リスク」、そして「災害時の事業継続計画と地域連携」の各ポイントをご説明いただきました。気象データは、週間予報や気象指数を商品仕入れ調整・悪天候時の人員配置・販促(雨天時の宅配・テイクアウト強化)などに活用できる一方で、実際にはその活用はまだまだ浸透していない事業者様が多いとのお話もあり、気象データ活用支援の余地の大きさを実感しました。


また、災害対応では、九品仏川や目黒川など目黒区近郊の地理的特性を踏まえ、台風・豪雨・地震が事業継続に与える影響が整理されました。多くの中小企業で事業継続計画が形式的なものにとどまり、特に情報収集力の弱さや設備投資の難しさが被害を拡大させる要因になっていることが指摘され、町会・商店街・避難所運営など平時からの地域連携が事業継続の鍵であると強調されました。
まとめとして、気象リスクを経営支援に繋がるよう「翻訳」し売上向上やリスク低減につなげることの重要性が確認され、支援先の事業者様に気温と売上の関係を尋ねてみることが、明日からの第一歩として提案されました。
今回、岩田先生ご自身の気象予報士・防災士としての実体験を踏まえたご講演により、気象・災害と経営の繋がりへの理解をさらに深めることができました。特に印象に残ったのは、災害が経営に直結する課題であるにもかかわらず、多くの事業者様がその重要性を十分に認識できていない、あるいは情報収集や事前対策まで着手できていないという現状です。日々の支援の中でも、目の前の売上や資金繰りに追われ、災害リスクへの備えが後回しになりがちな場面に度々直面しており、現状の課題を裏付けるものでした。気象・災害リスクを経営の言葉に翻訳し、事業者様に危機感を持って伝え、行動を促す橋渡し役を担えるのは、まさに中小企業診断士だと改めて感じました。
