[企業経営、商店街・まちづくりのアドバイザー]
「めぐろ診断士会」は、NPO法人 目黒中小企業診断士会の略称です。
NPO法人目黒中小企業診断士会では、令和5年9月30日(土)に目黒区内にある田道住区センターにて上期研修会を開催しました。今回、コロナ禍以降はじめての現地での研修会開催となりました。
今回は「プッシュ型事業承継支援」をテーマに、高橋利治先生にご登壇いただきました。「プッシュ型事業承継支援」とは、中小企業の経営者に早期・計画的な事業承継準備の必要性の「気付き」を促すため、プッシュ型で事業承継診断等を実施することによって経営者の事業承継に係る悩み、課題、ニーズを掘り起こし、適切な専門家/機関に取り次ぐ活動です。高橋先生は、電気メーカーに勤務ののち、中小企業診断士資格を取得・独立され、現在は公的機関での事業承継アドバイザーや商工会議所の相談員、東京都中小企業団体中央会、事業協同組合などでの活動を通じて、事業承継、経営改善、補助金支援などに従事されています。
研修会では、事業承継における概況・税制・進捗状況などを示しつつ、「プッシュ型事業承継支援」の具体的な支援プロセスや、「親族内継承」、「役員・従業員承継」、そして、「経営統合(PMI)、第三者継承(M&A)」のそれぞれのポイントについてご説明頂きました。これまでの事業継承支援は事業を渡す側の支援が多かったところ、昨今はPMI、M&Aなどで事業を引き受ける(買い取る)側の支援も増えてきているとのお話もあり、親族や社内に留まらない事業継承の拡がりを実感しました。
また、親族内継承では、後継者教育とともに、財産分配など税制面での影響が大きいため、専門家である税理士の方を交えて事業継承税制(特例措置)などのアドバイスを受けることがより重要であること、役員・従業員継承では、株式売買の価格や後継者候補の株式買い取り資金などに焦点が当たることも多く、株式売買価格によって譲渡所得税や贈与税などの税制の影響を受けるなどの考慮が必要になり、買い取り資金の低減のため買い取り数を減らす打ち手なども選択肢となりえる、といったお話を頂きました。
当日は30名を超える方が現地で参加されるとともに、研修会後には懇親会も実施されました。高橋先生ご自身のご経験を踏まえて得た事業継承支援の要点を学ぶことができ、また、昨今のニュースを交えた小ネタや金融機関などとのやり取りの裏話なども頂き、とても興味深く非常に有意義な研修会となりました。
(鈴木 慧)
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