「めぐろ診断士会」は、NPO法人 目黒中小企業診断士会の略称です。

活動紹介

「下期研修会」を開催しました!

 令和3年3月20日(土)、NPO法人目黒中小企業診断士会では下期研修会を開催しました。目黒川の桜を望む会場での開催となるはずでしたが、昨年来の新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言の再発出に伴い、Zoomによるオンライン開催となりました。

 今回の研修は「実践!アドバイザーと買い手の立場から見たサロン経営」と題し、スモールM&Aをテーマに木下綾子先生を講師にお迎えしました。木下先生は中小企業診断士としてご活躍される傍ら、スモールM&Aをきっかけにネイルサロンの経営者にもなるというご経歴をお持ちです。スモールM&Aのアドバイザーの視点と、買い手側のサロン経営者の視点から、ご自身の経験を中心にお話いただきました。

 「スモールM&A」には明確な定義はまだないものの、対象となるのは売上高が1億円に満たない中小企業が中心で、債務超過や赤字の企業も含まれています。以前はM&Aというと大企業の経営戦略の一つでしたが、近年では、中小零細企業、個人事業主にも対象は広がっています。その背景として、中小企業経営者の高齢化と後継者の不在があり、廃業に替わる選択肢として、事業承継型のスモールM&Aが行われるケースが増えているそうです。今後の日本企業の半数以上が経営者の世代交代を迎えるにあたり、引き続き市場は拡大傾向にあるだろうというお話がありました。

 現在、スモールM&Aに特化した仲介企業はいくつかあり、アドバイザーとして仲介役になる専門家の役割などもご紹介いただきました。木下先生ご自身もM&A未経験のなか最初の1件を完了させるまでのご苦労があったことや、実務をやってみることで初めて学べること、実績を1件作ることで次へ繋げられることについて、貴重な事例をご紹介いただきながら伝えてくださいました。

 また、講義後半ではご自身が買い手側となったサロン経営をテーマに、具体的な改善例を教えていただきました。スモールM&Aが成立した後、企業が経営改善に取り組む姿もイメージすることができたように思います。

 今回は集合形式からオンライン研修に切り替えて24名が受講しました。全員が顔を合わせることができないのが難点ではありましたが、チャット機能を使った質問ができる点はオンラインならではの良さと感じられました。質疑応答の時間も丁寧にとっていただき、参加者からの情報提供なども見られました。

 研修受講を通じて、スモールM&Aは後継者不足に悩む中小事業者にとって有効な選択肢であることを再認識し、診断士にとっても活躍の幅を広げるように感じられました。中小企業支援の一つのあり方として、理解を深める良い機会となりました。


下期研修会


(志水 玲子)

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