「めぐろ診断士会」は、NPO法人 目黒中小企業診断士会の略称です。

活動紹介

生活に欠かせない宅急便の裏を知る!令和最初の新年視察会!

令和2年1月19日(日)、われらがNPO法人目黒中小企業診断士会一行は、毎年恒例の新年視察会として羽田空港に程近い羽田クロノゲートの見学に行ってきました。今回、佐々木理事長はじめ総勢19名と多くの会員の皆様に参加いただきました。

羽田クロノゲートは普段、皆様が利用されているクロネコヤマトの宅急便(ちなみに「宅急便」はヤマト運輸が提供する宅配便サービスの商標)で有名なヤマトホールディングスが2013年に竣工した最先端の物流施設です。総工費はなんと1,400億円。施設名称の由来は同社のロゴにもなっているクロネコからのクロノと思いきや、ギリシャ神話における時間の神クロノスと日本と国外とのゲートとなることからこの2つの単語を掛け合わせた造語で『新しい時間と空間を提供する物流の「玄関」であるとともに、物流の新時代の幕開け』となることを目指して名付けられたそうです。

さて施設見学では施設のガイド2名が対応頂き、見学通路に沿って説明いただきました。
まず映像でヤマトグループの社史についての説明がありました。同社は何と2019年に創業100周年を迎えられています。

映像による会社概要の説明後、いよいよ最先端の物流施設に入っていきます。まず目に飛び込んできたのは高速で荷物を送る巨大なベルトコンベアです。このコンベアはクロスベルトソータと呼ばれるもので1,336枚のセルと呼ばれるものを繋ぎ合わせたコンベアです。1枚ずつに荷物が一つ置かれ流れていきシューターと呼ばれる送り先方面別に仕分けされていきます。シューターの数は70もあるのですがこの70という数はベースと呼ばれる全国の物流拠点の数だそうです。70あるベースから更に各地の着センターに仕分けされ最終的なお届け先に届けられていくのです。

荷物はクロスベルトソータによって自動で70個もあるシューターに仕分けされていくのですが、行先の情報はどうやって認識されるのか。それはクロスベルトソータに投入される前にスキャナーと呼ばれる機械を通ることで行先情報がクルスベルトソータのセル一つ一つに伝えられていきます。スキャナーは荷物によって伝票が上面、側面、どこに貼られているか個々に異なる荷物を瞬時に伝票位置を捉え伝票に記載さえたバーコードから行先情報を読み取りセル一枚ずつに情報を送るのです。スキャナー通過後もわずか数秒でそれぞれクロスベルトソータに投入されていきます。そしてこのクロスベルトソータでは最大1時間あたり48,000個もの荷物を仕分けしていきます。

ヤマトホールディングスさんが扱う宅急便の個数は年間でなんと18億個もあるそうです。一日あたりに換算すると約500万個!こんな膨大な荷物を預かり、正確に届けられている裏にはこうした技術を駆使した設備で支えられているのだと実感しました。

その他にこの羽田クロノゲートには見学はできませんでしたが、施設内で意外なサービスを手掛けています。それは家電の修理であったり医療器具の洗浄、印刷物の印刷と発送といった流通過程における加工業務、いわゆる流通加工や輸出入の通関業務です。

家電や医療器具は通常、メーカーや専門業者まで届けられて修理や洗浄が行われるのが一般的かと思いますが、羽田クロノゲートで行うことで時間が短縮され、消費者や医療を必要とされる患者さんに素早くモノを提供できるメリットがあります。

通関作業は羽田空港が近いロケーションから様々なニーズがあるようです。今では日本国内の生鮮品も香港では何と最短翌日、台湾・シンガポール・バンコクでは翌々日のお届けが可能となっています。普段、便利が故に日常的に利用している宅急便も先端技術の導入や流通加工、通関業務といった事業領域を拡大し創意工夫や努力の上で成り立っているのだと今回の見学で感じました。

最先端の物流施設を見学しその施設の素晴らしさに感動すら覚えた一行は、蒲田に場所を移し恒例の新年会を催しました。京急蒲田駅にほど近い「肉&餃子バル TSUBASA」にて会員同士の親睦を深めつつ令和時代の目黒中小企業診断士会について熱く語りました。

(梅澤 尚稔)

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