[企業経営、商店街・まちづくりのアドバイザー]
「めぐろ診断士会」は、NPO法人 目黒中小企業診断士会の略称です。
「♪わるならハイサワー」芦川よしみのCMで有名なあの会社と言えばぴんと来る方も多いのではないでしょうか。今年の春期研修会は、ハイサワー博水社の田中秀子社長をお招きして御講話頂きました。
昭和3年の創業当時は、ラムネやミカンジュース、サイダーの製造販売が主でした。太平洋戦争により焼け野原となった目黒の工場に小さなジュースを充填する機械が残っていたことから、戦後も町のジュース工場として再出発が図られました。戦後は砂糖などの入手が難しいこともあって、当社のラムネやミカンジュースはかなり売れたようです。
しかし、その様相が一変します。昭和36年にアメリカからコカ・コーラが日本に上陸し、国内飲料大手メーカーも莫大な広告宣伝費をかけて飲料市場を席巻しました。このため、当時250件ほどあった都内のジュース工場は次々と倒産ないし廃業に追い込まれたと言います。
当時の社長である父の田中専一氏は、このままでは廃業に追い込まれてしまうと、冬でも売れる商材づくりに奔走したのです。そこで、目をつけたのが、当時はまだ無かったお酒を割る飲料の開発でした。そうして数々の試作を繰り返して出来たのが、ハイサワーです。この新しい飲み物が世に出たのは昭和55年のことでした。
■ 変えないものと変えるもの
実は当社のハイサワーのロゴは昔から変わっていません。小さい会社であるため莫大な広告宣伝費はかけられない。人は同じものを3回見ると4回目には買ってもらえる。であれば、このハイサワーという文字を覚えてもらおう、そして買ってもらおうとの考えです。
一方、消費者のニーズに合わせて新商品開発にも余念がありません。例えば、健康に気を遣う男性が増えてきていますが、メタボを気にしつつお酒を楽しみたい方にダイエットハイサワーを開発する等です。
■ 懇親会はもちろんハイサワー
講演後の懇親会には田中社長にもお付き合い頂きました。ドリンクはもちろんハイサワー。日頃日本酒しか飲まない私もしっかりとハイサワーを楽しませて頂きました。やっぱり一本筋の通った割り材で飲むお酒はうまい。皆さんもぜひお試し下さい。
(めぐろ診断士会 宇野 俊郎)
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