「めぐろ診断士会」は、NPO法人 目黒中小企業診断士会の略称です。

活動紹介

「NPO法人 目黒中小企業診断士会 12月研修旅行」に参加して

研修旅行集合写真NPO法人 目黒中小企業診断士会(通称:めぐろ診断士会)は12月15日~16日、本年の締めくくりとして湯河原の老舗温泉旅館「伊藤屋」にて1泊研修旅行を実施し、会員8名が参加しました。研修会では「湯河原温泉の現状と今後の課題、当旅館の状況」をテーマに、湯河原町商工会会長の石倉様、伊藤屋旅館主人の伊藤様にお話を伺いました。

湯河原町は神奈川県の西南端に位置する風光明媚な観光のまちです。人口は約2万7千人と減少傾向で、産業は飲食店・宿泊業の比率が高くなっています。観光客数は平成13年に日帰り客470万人・宿泊客95万人でしたが、平成23年にはそれぞれ340万人・60万人と大幅に落ち込んでおり、今年は多少持ち直しているものの、大きな問題であるといえます。原因としては震災の影響や、企業などの保養所が減少していることが考えられます。

このような状況の中、湯河原町商工会では、地域活性化のための様々な活動を積極的に行っています。地域中小企業支援事業などの補助金を獲得し、5件の飲食店をはしごできる「ゆがわら温泉ぽんバル」イベント、アーケード撤去事業、ゆるキャラ「ゆたぽんファイブ」制作、B級グルメ「担々やきそば」開発などに活用しています。

お話を受けて、佐々木理事長から神奈川・静岡の県境に位置する特性に関する質問があり、その中で静岡県側との連携が進んでいないとの課題も見えてきました。

続いて、伊藤様から旅館の現状を伺いました。95%が京浜地区の客、7割が日帰り客という湯河原では、旅館は80軒弱に減少しているそうです。ただし、不況による廃業は少なく、ほとんどが後継者不在によるもので事業承継が課題となっています。伊藤屋で今一番困っているのは従業員の人手不足とのことでした。

「来たお客さまにいかに喜んで帰っていただくか」を考え、正直に真面目にやってきたというご主人は穏やかでゆったりした雰囲気の方でしたが、貸切露天やバリアフリーの導入にもいち早く取り組む姿勢、「大きなことをやるときには3年前から考える」という言葉に、経営者としての一面も垣間見えました。

最後のフリーディスカッションでは、商工会と旅館協同組合の協力や広報活動の充実などの課題確認、町長・商工会他諸団体の結束の固さという強みの発見、朝市など宿泊を誘因するイベントやインバウンド向け英文チラシの発案がありました。

研修後は、自慢の温泉と美味しい夕食を堪能した後、歴史的な趣のある部屋で小宴を開催し、親睦を深めました。全体を通して、たいへん充実した研修でした。

(めぐろ診断士会 橋本 良一)

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